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圧力波形を利用した成形条件調整を見据えた成形不良検知実験のご紹介

圧力波形を利用した成形条件調整を見据えた成形不良検知実験のご紹介

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同じ製品を大量に成形している射出成形の現場では、同じ成形条件を設定していても環境変化などの要因によって、不良品が発生してしまうという課題があります。不良品が発生する前に不良の発生を予測し、成形条件を調整すれば不良品の発生を抑制することができます。

株式会社MAZINでは、生産工程単位で存在する生産課題を解決するAIの開発を行っています。射出成形工程においても、技能承継や生産効率の改善といった課題感に焦点をあて、成形条件調整の自動化に活用されるアルゴリズムの開発を目的に各種実験・分析に取り組んでいます。

成形条件調整の自動化にあたって、まずは不良品の発生を予測するための実験・分析に関する取り組みの一部をご紹介します。

概要

今回ご紹介する取り組みでは、金型に取り付けた圧力センサにより、成形時の型内圧力を取得し、時系列波形から不良品の発生を予測できるかを目的としています。

詳細

樹脂を用いた射出成形にて、金型内を流れる樹脂の状態と相関のあるMAZINオリジナルの特徴量を用いて分析することによって、成形不良の予測の可能性を明らかにしました。

対象

成形品:民生品プラスチック部品

材料:樹脂

計測量:圧力(1点)

解析内容

金型内を流れる樹脂の状態と相関のあるMAZINオリジナルの特徴量を生成し、分析することにより、散布図上で良品は中央に集まり、不良品は外側に分布することが分かりました。

このことから、不良品発生を予測できる可能性が高いことが示されました。

不良品の発生を事前に予測できる可能性が見えたことによって、不良が発生する前に成形条件を自動調整し、不良品の発生を抑制するシステムへの適用が期待できます。

展望

いかに高精度に不良発生の予測ができるか、またどのように成形条件を調整するかが、成形条件の自動調整システムによる不良品排出率低下に繋がります。今後は不良予測の高精度化及び条件調整の手法について、開発を進めてまいります。

お問い合わせ

技術の詳細内容や研究開発に関する問い合わせはこちらからご連絡ください。

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