切削加工におけるビビりとは|ビビり発生の原因と対策

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切削加工におけるビビりとは

ビビりは、切削加工中に断続的に発生する振動の総称です。 ビビりの発生は加工精度や生産性の低下につながるため、早急な対策が求められますが、その原因は多岐にわたり特定は容易ではありません。 ビビりが発生しやすい状況としては切削条件が悪い、工具が長い、刃数が多い、被削材が振動しやすい、機械の剛性不足等があげられます。 この記事では切削加工の悩みのタネであるビビりの原因と、その対策について解説します。

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ビビりの種類

ビビりは、その振動源から「強制ビビり」と「自励ビビり」の大きく2つに分類されます。

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強制ビビり

強制ビビりは、機械本体や外部環境を振動源とするビビりです。 工作機械自体の振動や切削抵抗による大きな振動が、機械の振動特性によって拡大され発生します。

自励(じれい)ビビり

自励ビビりは、工具とワークの加工点を振動源とするビビりです。 切削抵抗による小さな振動が、機械の振動特性によって拡大され発生します。再生ビビリと呼ばれることもあります。

ビビりに起因して発生する課題

ビビりに起因して発生する課題には、以下のようなものがあげられます。

  • 仕上げ面の劣化
  • 工具折損
  • 機械の破損

仕上げ面の劣化

ビビりが発生すると、ワークの仕上げ面にうろこ状の「ビビりマーク」とよばれる痕跡が残ることがあります。 ビビりマークが発生すると仕上げ面が劣化し、加工不良となります。

工具折損

ビビりは加工中の過度な負荷から発生することが多く、刃先のチッピングや工具折損の原因となります。 特に金型などの長時間加工では、工具に掛かる負荷もより大きくなるため注意が必要です。

機械の破損

ビビりによる振動は機械自体にも大きな負荷がかかります。 そのため振動を放置すると、主軸やモータなど機械の一部を破損する恐れがあります。

ビビりはどんな時に発生する?

ビビりの発生には、切削抵抗や機械と工具の剛性が大きく影響します。

発生する代表的なケースには、 -切削抵抗が大きく、工具とワークが振動してしまう場合 -ワークが薄く、振動しながら削られる場合 -機械や工具の剛性が低い場合 があります。

切削抵抗が大きく、工具とワークが振動してしまう場合

切削抵抗が大きい場合、工具とワークの加工点からビビりが発生します。 特に切削面が大きい正面フライス加工やエンドミルによる側面加工では、ビビりが発生しやすくなります。

ワークが薄く、振動しながら削られる場合

ワークが薄い場合、ワーク自体の剛性が足りずビビりが発生します。 治具によるワークの保持方法や、加工工程の見直しも必要となります。

機械や工具の剛性が低い場合

機械や工具の剛性も、ビビりの発生に大きく影響します。 ワークの種類や加工方法に応じた、機械や工具の使い分けが重要です。

ビビり発生の対策方法

ビビりの発生を抑えるためには、工具選定や段取り・切削条件など切削の初期段階から対策に取り組む必要があります。

工具選定によるビビり対策

剛性の高い工具や不等ピッチの工具など、工具選定を見直し対策をします。

剛性の高い工具を使用する

超硬工具や剛性の高いツールホルダーを使い、ビビりの発生を抑えます。 工具の剛性を上げるには、より大きな径の工具や勾配のついた工具を使うなど、工具の選択も重要です。ラジアスエンドミルは同じRサイズのボールエンドミルよりも工具径が大きい為に剛性が高く、工具形状はロングネック形状よりテーパネック形状の方が剛性に優れています。

工具の突き出しを短くし、工具の振れやたわみを抑えることと言った方法や加工部位への接近性が高く深い部位でも短い突き出し長で加工することができる焼きばめホルダの利用も保持剛性・保持精度の点からビビりの抑制に効果的です。

不等ピッチや不等リードの工具で、振動を分散させる

不等間隔の工具には自励ビビり振動の抑制効果があり、チップや切れ刃の配置が不均等な工具の利用はビビりの発生抑制に有効です。 高周波振動を分散させることで、切削抵抗の共鳴によるビビりを防止する効果があります。

切れ刃の角度を変え、切削抵抗を軸方向に移動させる

切れ刃の角度が緩やかなチップを選定し、切削抵抗を軸方向(Z方向)に移動させることで、ビビりの発生を抑えます。 工具の刃数を増やしたり、工具の中心とワークの中心をずらし同時切削刃数を増やすことも効果的です。

段取りによるビビり対策

クランプや治具など、段取り時の作業を見直し対策をします。

ワークをハンマーなどで叩き、クランプ状況を把握する

ワークをプラスチックハンマーなどで叩き、その振動からクランプ状況を把握します。 振動が長く続く場合はワークの保持が弱く、「油圧クランプ」や「マシンバイス」など治具の見直しも必要です。

ワークにかかる負荷を想定し、防振を考慮する

ワークにかかる負荷を想定し、あらかじめ防振を考慮した段取りを行います。 振動する方向に切削抵抗がかかる場合は、クランプ方法やクランプ方向の見直しを図ります。

切削条件によるビビり対策

切り込み量や回転数など、切削条件を見直し対策をします。 切削条件の調整は、加工効率や仕上げ面の品質にも影響するため、バランスが重要です。

切り込み量を小さくし、切削抵抗を減らす

切り込み量を小さくし切削抵抗を減らすことで、ビビりの発生を抑えます。 一般的には、切り込み量が小さいほど切削抵抗の周期的な変動が少なくなり、自励ビビりが発生しにくくなります。 切り込み量が少な過ぎると切り込み角が小さくなり、背分力(ワーク軸方向から工具にかかる力)によるビビりが発生するため注意が必要です。

クーラントを使用し切削抵抗を減らす

クーラントによって工具とワークを潤滑させ切削抵抗を減らすことで、ビビりの発生を抑えます。 また高圧クーラントを使うことで、切粉を細かく分断し工具の摩擦を減らす効果があります。 切削条件を厳しくし、加工効率を上げたい場合にも有効です。

回転数を調整し切削抵抗を減らす

一般に工具やワークの回転数が低いほど切削抵抗が減り、ビビりが発生しにくくなります。 ビビりは特定の切削条件が重なった時に発生するため、回転数を低くしてもビビりが続く場合は、回転数を高くすることで治まることもあります。

ビビり発生の原因と対策まとめ

この記事では切削加工で発生するビビりの原因と、その対策について解説しました。 ビビりの発生は、工作機械の状態や工場の環境にも大きく左右されます。 そのためビビりを抑えて高い加工精度を発揮するためには、設備点検や異音チェックなど、日頃の機械のメンテナンスも重要です。

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