IoT（モノのインターネット）化が進み、これまでネットワークに接続していなかった「モノ」がインターネットに接続されるようになり、内部に蓄積していたデータを取得し活⽤できるようになりました。製造現場においてIoT技術はどのように活⽤されるのでしょうか？
導入メリットを確認する際に、合わせて認識しておきたいことがあります。
製造現場において予期せぬ問題が発⽣し、稼働停⽌しているといったことはありませんか？異常事態の発⽣は稼働率の低下につながります。製造現場でIoTを導⼊することにより、このような異常事態を未然に防いだり、不具合が発⽣したとしても原因追及までの時間を早めたりすることが可能になります。こうしたメリットばかりに注⽬してしまいますが、それらを実現する要素、しっかりとメリットを受けるために押さえておきたい重要なポイントを認識することも⼤切です。本誌では、IoT化によって期待できる代表的な3つのメリットを中⼼に、それらを実現する要素や着実に形にするために押さえておきたいポイントを事例を交えてご紹介致します。
製造現場をIoT化することで、期待できるメリット様々ありますが、代表的なものは以下の3つです。
IoTの導⼊で⽣産効率の向上が⾒込めます。例えば、⽣産⼯程において異常や不具合が発⽣したときには作業員がそのことに気づき、復旧作業をしなければいけません。復旧作業をしているときは⽣産を⽌めなければならず、異常や不具合に気づくのが遅ければ遅いほどタイムロスしてしまいます。このような事態を避けるため、⼯場内や機械にカメラやセンサーなどを設置して状態を監視します。もし異常事態を検知したらインターネット経由で警告が通知されます。複数箇所に設置していれば、どの箇所が原因で停⽌しているのかも分かるので、問題が発⽣した時の不具合箇所を特定するのも早くなります。また、⼯具摩耗の検知を通じて、⼯具交換頻度の削減も実現できます。
製造時に使用する消耗品があると思います。使⽤者は消耗品の在庫が少なくなったことを確認したら補充し、在庫がなければ追加購⼊する必要があります。この過程において在庫の確認、補充、追加発注のフローがありますが、IoT技術を活⽤することで、消耗品の在庫が少なくなったことを検知し、消耗品を⾃動で発注するサービスも可能です。また、消費量と供給量のデータが蓄積してくれば、消耗品を補充する量も最適化できます。適切な量を仕⼊れることにより、不要な在庫や在庫切れによる製造ラインの停⽌といった事態も避けられるでしょう。
IoT技術によって製品に関するデータが得られるメリットは、⽣産効率の向上や管理コストの低減だけではありません。製造時に得られた情報からどのような製品が市場から求められているのか、つまり消費者のニーズを把握することも可能になります。消費者ニーズを把握することにより、これまでになかった新しい製品開発やサービスのヒントが得られるかもしれません。
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