射出成形加工におけるコンタミとは?主な発生要因とそれぞれの対策

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コンタミとは

コンタミとは、英語のコンタミネーション(contamination)の略称で、 異物や不純物混入の意味です。

製造業全般に使われる用語で、異物混入の総称です。

射出成形工場におけるコンタミは ・製品に付着するチリゴミ ・製品に練り込まれている炭化物 などを指して使用されるのが一般的です。

コンタミ発生の要因

射出成形工程内において、ゴミやその他異物の混入がコンタミ発生の主な要因です。

「射出成形の工程」における異物混入 / コンタミ発生

プラスチック原料が入荷し、加工され出荷に至るまでには、多くの工程があります。 その中で、異物が混入することがあります。

【射出成形 フローチャート】

  1. 原料搬入
  2. 原料タンクに投入
  3. 成形機ミニホッパーに輸送
  4. 成形機で溶融
  5. 金型に充填
  6. 取り出し機で取り出し
  7. 製品コンベアで搬送
  8. 外観検査 / 追加工
  9. 包装
  10. 倉庫保管
  11. 出荷検査
  12. 出荷

「製造環境」に起因する異物混入 / コンタミ発生

また、射出成形工場は、製造する製品によって要求される製造環境が異なります。

例えば、食品トレーや医療機器は、クリーンルーム内で製造されます。 一方で同じ射出成形工場であっても、建築資材や、雑貨などは、雨風がしのげる程度の環境で十分なこともあります。

単一製品のみではなく、様々な業種の製品を製造する工場では、その都度、段取り換えが必要となり、段取り換えの多い成形機は、試作・量産を含め、5型/日ほど行う工場もあります。こうした工場での生産では、毎回ラインクリアランスチェックを行っていても、前の原料が残っていて混入することがあるので要注意です。

コンタミの種類と発生しやすい箇所

射出成形においてコンタミは大きく2つに分けられます。

製品に練り込まれているコンタミ 製品に付着しているコンタミ

コンタミの種類によって、前項で触れた射出成形工程のどこに問題があるのか?を絞り込むことが可能となります。

「製品に練り込まれているコンタミ」におけるケース

製品に練り込まれているコンタミは、一般的に「練り込み異物」と呼ばれます。

練り込み異物の発生箇所は、一定ではありません。 それは、溶融樹脂の中に練り込まれているからです。

前項で紹介した射出成形工程内「1原料搬入」〜「5金型に充填」までのいずれかにおいて、 練り込み異物が混入します。

練り込み異物の混入例 原料搬送経路で混入(原料ペレットや粉砕材にチリゴミが付着) 加熱筒内スクリューから炭化物が剥離し混入 金型、成形機、取り出し機の汚れがインサート混入

「製品に付着しているコンタミ」におけるケース

製品に付着しているコンタミは、一般的に「付着異物」と呼ばれます。

付着異物の発生箇所は、一定ではありません。 製品が金型から取り出された後から出荷するまでに、チリゴミなどが付着します。

前項で紹介した射出成形工程内「6取り出し機で取り出し」〜「12出荷」までのいずれかにおいて付着異物が混入します。

  • 付着異物の混入例
  • 製品搬送経路で混入(取り出し機のグリース汚れ、搬送コンベアのチリゴミ)
  • 作業時に混入(外観検査、追加工、出荷検査)
  • 倉庫保管時(長期保管による保管状態劣化、湿気による箱劣化、雨水の侵入)

コンタミ予防・対策の基本

先述のコンタミの種類に応じて問題箇所が絞り込めることからも分かるように、コンタミ予防・対策の基本は、徹底したライン管理です。それぞれの工程を最適化し、ライン全体を徹底的に管理しなければ予防出来ません。

ライン管理が難しい場合は、コンタミ対策を発生率の高い箇所に絞り込んで実施する

上述の通り、コンタミの予防・対策には徹底したライン管理が必要となります。一方で、射出成形工場でライン管理の検討に当たっては、

  • 工程が多い
  • 段取り換えが多い
  • 工場内の設備が多い
  • 様々な人が連携して作業する

といった、様々な要素へのケアが求められるため、簡単には徹底したライン管理を実現できないということもあるかもしれません。

そのような場合は、コンタミ発生の原因となりやすい

  • 加熱筒、スクリューからの練り込み異物
  • 原料搬送経路内での混入
  • 金型、成形機、取り出し機などからのインサート汚れ

と言った箇所を重点的に対策・事象発生時のオペレーションを整備する形で、生産性の改善を目指すのも方法です。

コンタミ発生を的確に検知するために

また、コンタミ予防・対策の基本を徹底したとしても、肝心のコンタミ発生を的確に検知できなければ、生産性の改善は難しいです。コンタミ発生を的確に検知するための注意ポイントは主に2つです。

<1>コンタミ発生原因の特定

まずコンタミ事象品をしっかり検査することが重要です。

コンタミ検査の方法

  • 目視
  • 拡大鏡
  • 練り込み異物なら、事象箇所を切り出してみる
  • 社外の専門機関へ成分分析を依頼する

検査結果から明らかになった原因に当たりをつけ、さらに原因追求をしていきます。

原因が特定できないうちは、さらなる不良発生に繋がってしまう可能性があるので、製造ラインの停止が必要です。 原因の特定と処置完了後に再スタートするようにしましょう。

<2>発生したらすぐに関係各課に情報を共有

不良が発生したら、すぐに関係各課へ共有することが最優先です。 原因の特定の是非に関わらず、まず共有することで、不良流出を防止できます。

特に問題になりがちな原料、成形法など

成形法や原料が違っても、コンタミ対策・予防の基本は変わりませんが、特定の樹脂特製や成形法においては、他と比べてコンタミが発生しやすいこともあります。

  • 透明原料:コンタミは、目視にて、不良判定ができる外観不良です。透明色の成形品で多く発生し、問題となる不良です。(透明色の原料、アクリル、PCなど)
  • 粉砕材成形法:粉砕材を使用する時は、粉砕材に帯電付着したチリゴミの混入、粉砕刃が欠けて混入するなど多くの可能性が潜んでいます。
  • 段取り換えの多い成形機、長期間成形する製品:段取り換えの多い成形機や、長期間成形する製品は、加熱筒内スクリューに炭化物が蓄積しやすく、その炭化物が剥離して充填されてしまいます。規定ショットを予め決めて、パージ材にてパージするか、スクリュー分解清掃をしましょう。

上記例のような成形加工を行っている工程では、生産性の改善を目的に、よりコンタミ対策・予防を意識するようにしましょう。

まとめ

製造業全般に使われる用語である、コンタミ(コンタミネーション)について、特に射出成形工場における不良対策・生産性の改善を考える際に注意しておきたいポイントをまとめました。コンタミ予防・対策の基本となる、「徹底したライン管理」をベースに自社の状況を考慮の上、必要な対策を実施検討を行うなどして、より生産性の高い成形加工技術の確立を目指しましょう。