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シャフトの旋削加工について|シャフト加工の課題とポイント

シャフトの旋削加工について|シャフト加工の課題とポイント

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シャフトのように細く長い形状を持つワークの加工は、剛性が低いことから、寸法精度の低下やびびり・振動が発生しやすいことが知られています。また、加工時に発生した切粉がワークへ巻きつくことも多く、それによりワークや切削工具の損傷などが課題となります。 この記事ではシャフト旋削時の課題と、課題を解消し精度の高いシャフト加工のために押さえておきたいポイントについて解説します。

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シャフトの旋削加工で発生する課題

シャフトの旋削加工では、切粉の巻きつきやびびり・振動、直径寸法のばらつきが課題になります。

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切粉の巻きつきが発生

シャフトのような長尺のワークを加工する場合には、旋削加工時に発生した切粉の巻きつきが発生しやすくなります。 切粉の巻きつきは、切削工具の損傷やワークの傷つきなど、不良品の発生につながります。

びびり・振動が発生

細く長いワークではワークの剛性が十分でないことで、振動やびびりが発生します。 これらの影響で仕上げ面の劣化や加工精度の低下、影響が大きい場合には工具の折損や設備の破損につながるおそれがあります。

直径寸法のばらつきが発生

剛性が低い長尺ワークであるシャフトの旋削加工では、安定した加工が難しいことから、測定箇所ごとに直径寸法のばらつきやテーパが発生しやすいです。 狙い通りの寸法、形状が実現できなければ不良品になってしまうため、コストや生産性の観点から難しい加工法といえます。

シャフトの旋削加工時の課題別対策

長尺、小径のように難易度の高いワークを旋削加工する場合には、他のワークと同様の設備、条件で加工するのではなく、ワークに合わせた加工条件の選定が必要です。例えば、振れ止め、心押し、高圧のクーラントなどの観点で対策を行い、さらにびびりの原因となる切削抵抗をできるだけ小さく抑え、切粉の処理を考慮した工具を選定することが重要です。 シャフトの旋削加工における課題を解決するためには、以下のようなポイントを考慮する必要があります。

切粉の巻きつきを解決するために

切粉の巻きつきを解決するためには、高圧のクーラントやインサートの選定、さらに加工パスの見直しが効果的です。

高圧クーラントを利用する

旋削加工時に発生した切粉が長いままの状態で工具付近に留まっていると、工具への巻きつきの原因となります。 7MPa~15MPaの高圧クーラントを採用すれば、切粉を分断でき、さらに工具の近くから除去できるため、工具への巻きつきが発生しにくくなります。

適切なインサートを選定する

旋削加工ではさまざまな種類からインサートを選定しますが、中には切粉をうまく分断できる旋削用のインサートもあります。 インサートに細工されているブレーカーを変更することで、切粉の形状を調整したり分断したりできます。

加工パスを見直す

切粉の巻きつきを避けるためには、加工パスの見直しも効果的です。例えば繰り返し工具を送るステップ加工や、切削方向に主軸の回転と同期させながら振動させる「低周波振動切削」を行うことで、切粉の分断や効率的な排出を実現できます。

びびり・振動を解決するために

びびり・振動を解決するためには、インサートの選定、切削条件の見直しに加えて、振れ止めや心押しの使用が効果的な案として考えられます。

適切なインサートを選定する

びびり・振動の起点となる加工点の抵抗を抑制するためには、適切な旋削用のインサートを選定する必要があります。 選定すべきインサートの特徴としては、逃げ角のついたポジインサートやノーズR、刃先角の小さいインサート、抵抗の小さいブレーカが設定されたインサートなどがあげられます。

振れ止め、心押しを使用する

長尺のワークを加工する際に、ワークの剛性が低いことによる影響を受けないようにするためには、振れ止めや心押しの使用が効果的です。 振れ止めはびびりや振動に加えて、ワークの逃げも防止できるため、寸法精度の向上に貢献できます。

切削条件を見直す

びびりや振動は、切削条件を見直すことで改善できる可能性があります。 見直しの際のポイントとしては、起振源となる振動を抑えることで、切削速度や切り込み量を落とすこと。さらに加工中の主軸回転数の変調をモニタリングすることが効果的です。

直径寸法のばらつきを解決するために

長尺のワークを加工する際に発生する測定場所ごとの直径寸法ばらつきを解決するためには、プログラムによる補正や回転バランスの調整が効果的です。

プログラムによる補正

加工しながらワーク寸法を計測し、当初設定されたプログラムを修正することで、直径寸法のばらつきが発生しないように補正することが可能です。

回転バランスを調整

ワークを回転させる際に発生する振れを測定し、それをもとに回転バランスを調整することで直径寸法のばらつきが発生しにくくなります。

シャフトの旋削加工とは?まとめ

この記事ではシャフト旋削時の課題と、精度の高いシャフト加工のために押さえておきたいポイントについて解説しました。 細く、長いワークであるシャフトは難易度の高い加工であり、設備やインサート、加工条件の細かな調整に加え、加工プログラムの調整や振れ止めの使用などさまざまな工夫が必要です。これらの対策を適切に取ることで、精度の低下やびびり、振動などの課題を抑えつつ、シャフトの旋削加工を狙い通りに行えます。